第5章
囲碁の歴史編

偉人たちの人生の羅針盤

(1)サムライも愛した囲碁

琴棋書画 囲碁の起源は諸説ありますが、4000年以上前に中国で誕生し、奈良・平安時代(西暦710年~1185年)に日本へ伝わったとされています。特に平安時代の文学作品「源氏物語」や「枕草子」にも囲碁の描写がされるほど貴族のたしなみとして好まれていました。室町時代になると、囲碁は武家や庶民にも広がり始め、碁盤と碁石を使った様々な遊びも生まれました。中国では現在でも教養のある文人のたしなむ四芸として「琴を弾いて囲碁を打ち、書を書いて絵を描く」という「琴棋書画(きんきしょが)」が尊ばれています。「棋」は囲碁を意味しています。
徳川家康公 戦国時代には、囲碁が戦(いくさ)の戦略・戦術を思案するのに活用され、武田信玄公、織田信長公、豊臣秀吉公、そして徳川家康公など名だたる武将も好んで囲碁を打っています。日本の「サムライ」たちは囲碁を愛し、囲碁を打つことで戦乱の世の喧騒をしばし忘れていたのかもしれません。

その後、戦乱の世を治め平和な時代を築いた徳川家康公は、一つの「道」として囲碁の棋士に禄を与え保護し、囲碁の御家元を作りました。優秀な棋士を育て技術を磨き将軍の御前で囲碁を打つ「御城碁(おしろご)」で競わせてさらなる研鑽を続け、御家元は今まで不完全な部分があった囲碁のルールを整備・再構築したことで、現在世界で採用されている囲碁のルールの基礎をつくることに貢献しました。
古くは平安時代から令和の現在に至るまで囲碁がたしなまれ、囲碁用語から生まれた独特の慣用句やことわざも多くあることからも分かるように、日本人にとって囲碁はかけがえのない文化なのです。

江戸時代から将軍家の嫁入り道具の一つとして碁石と碁盤を持たせる文化の名残や、1930年代以降の囲碁ブームなどにより、日本でも碁盤や碁石が多く売れる時代もありました。しかし、1990年代の日本のバブル経済の崩壊以降は、景気の低迷やテレビゲームの人気、PC・スマートフォンの普及に押されるようにして日本の囲碁人口は年々減少しているといわれています。一方で、世界には囲碁愛好家が4千万人以上いるとされ、知的かつ創造的なボードゲーム「Go Game」として根強い人気を誇っており、囲碁は日本文化の象徴として世界中に広がっています。

(2)世界を変えた偉人たちも好んだ囲碁

アルベルト・アインシュタイン氏 囲碁の愛好家は世界中にいますが、その中でも二十世紀最高の天才と称される物理学者のアルベルト・アインシュタイン氏、米国の第44代大統領バラク・オバマ氏、アップル社の創業者スティーブ・ジョブス氏、マイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏、また、日米通算4000本安打を達成した、元メジャーリーガーのイチロー氏など、数多くの有名人たちが囲碁を愛しています。囲碁の効用は諸説ありますが、創造性や集中力の醸成、視座の高い思考力を高める効果があるとされていることから、世界中の多くの経営者や偉人に好まれているのでしょう。

囲碁の世界に触れることにより新たな想像力や思考力の開花に繋がるかもしれません。
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