盤師 三輪京司製作 碁盤
創業1917年。名古屋市で盤作りを始めて100余年の老舗碁盤店『三輪碁盤店』三代目盤師 三輪京司製作盤コーナーです。永年の歴史と木材、脚彫り、太刀盛りに至る盤作りへの情熱によって製作された盤を是非ご覧ください。
■三輪碁盤店の歴史創業1917年。三輪碁盤店は名古屋市で盤作りを始めて100余年の老舗碁盤店です。初代:三輪三郎氏、二代目:三輪弥寿治氏、そして、現在は三代目三輪京司氏が日々盤製作に励んでいます。号は『渓峯(けいほう)』。
元々、「箱火鉢(はこひばち)」職人であった初代三輪三郎氏は、囲碁と将棋が大好きだった縁もあって大阪の碁盤職人から碁盤・将棋盤づくりを習い、『三輪碁盤店』が誕生しました。 ■三輪碁盤店の盤へのこだわり/「木を見極める眼」と「乾燥技術」
三輪碁盤店製作の盤は、その「原料」、製作に至るまでの「乾燥」に絶対の自信を持ち製作されています。 現在の三代目三輪京司氏は、多くの碁盤店が目利き師に任せて榧材を買うことが多い中、修行時代から日本全国の木材市を巡って数多くの木材に直接触れ、実際に眼にしてきました。経験に裏打ちされた「木を見極める眼」によって選び抜かれた木材から形作られた碁盤、将棋盤は、絶対の自信をもって製作された逸品です。特に、乾燥については、自然乾燥のみにこだわり、長いものでは10年以上も工房内で乾燥させています。 ■三輪碁盤店の盤へのこだわり/「脚彫り」
脚彫りは「根気仕事」だと言われています。小刀で削り出す脚は、一日何組もつくれるような単純なものではありません。しかも、削り出した後に数日かけて脚を磨き上げて仕上げなければなりません。三輪碁盤店製作の盤には、こだわりと高い技術、時間、そして想いを込めて製作された『脚』が使用されているのです。
■三輪碁盤店の盤へのこだわり/「太刀盛り」
一級品の盤製作に欠かせないのはやはり『太刀盛り(たちもり)』です。三輪碁盤店製作盤は、太刀盛りの中でも『やらい』という手法で線を引いていきます。“漆を刃にのせ、盤に盛る”という、手仕事でしか出せない美しさやなめらかさ、それによって生み出される「漆の盛り上がり」が盤師三輪京司の真骨頂です。
また経験則によるものが多い盤製作において、目盛り引きに関しては天気や気温、湿度、漆の状態などのデータを長年蓄積し盤製作に活かしています。漆は温度や湿度に影響を受け易いため、扱いが非常に難しい塗料です。経験だけでなくデータも活かすことで、「より良い盤を作りたい」という盤職人としてのこだわりが垣間見えます。