碁笥の価格・価値について
碁笥の価値・価格
碁笥の価値・価格は、素材、木目、サイズ(適合碁石)、形状、作者等の複合的な要素で決まります。
碁石を入れる容器は主に木製で、木の種類、加工の難易度や希少性等によって価値・価格に大きな違いがあります。
おおよそ価値・価格・希少性の高い順に、
『高級碁笥』… 黒柿 > 屋久杉 > 島桑 > 本桑 > 紫檀・黒檀
『一般的な銘木碁笥』… 本桑 > 槐(エンジュ、エンジ) > 花林(カリン) > 欅(ケヤキ)> 蘗(キハダ) > 栴檀(センダン)> タモ > 椎・楠・楢 > 桜 > 栗 > プラスチック樹脂製
*碁笥の木材は、流通量や様々な要因で価値が変化しますので、必ずしもこの順ではございません。
おおよそ価値・価格・希少性の高い順に、
『高級碁笥』… 黒柿 > 屋久杉 > 島桑 > 本桑 > 紫檀・黒檀
『一般的な銘木碁笥』… 本桑 > 槐(エンジュ、エンジ) > 花林(カリン) > 欅(ケヤキ)> 蘗(キハダ) > 栴檀(センダン)> タモ > 椎・楠・楢 > 桜 > 栗 > プラスチック樹脂製
*碁笥の木材は、流通量や様々な要因で価値が変化しますので、必ずしもこの順ではございません。
高品質・高価値
『黒柿製碁笥』は、白と黒のコントラストが特徴の見た目に美しい高級碁笥です。黒柿の木材は、何年も自然乾燥させる必要があり、ゆっくり長い年月をかけてようやく材料として使えるようになります。木地の白い部分と黒い部分で収縮率が全く異なるため、乾燥途中に割れやすく多くの黒柿材は割れたりヒビが入ってしまうほどです。黒柿材は、それほど取り扱いの非常に難しい木材です。
このように取り扱いの難しい黒柿の木材を少し削っては空気に触れさせて乾燥させてという工程を何度も繰り返して、ようやく碁笥として仕上げられます。丁寧に乾燥させてから丹念に作り上げられていますから、長年使用しても変形しづらく美しさを長年にわたって保つことができます。
黒柿製碁笥の最大の特長は、なんと言っても明るい木地に描かれたように入った黒模様です。ある木地は細筆で描かれたような模様、ある木地は太く大胆に入った黒模様など、二つとして同じものの無い自然の成せる奇跡の技です。黒柿の木材は市場にあまり出回らず、また切ってみないと黒模様が入っているのかどうかもわからず、入っていてもそれがどう入っているのかは碁笥になってみるまで分からないというやっかいな代物です。
長年碁笥作りに携わり木を知り尽くした職人だからこそ作り上げることができる黒柿碁笥は、まさに銘木と呼ぶにふさわしい逸品です。
このように取り扱いの難しい黒柿の木材を少し削っては空気に触れさせて乾燥させてという工程を何度も繰り返して、ようやく碁笥として仕上げられます。丁寧に乾燥させてから丹念に作り上げられていますから、長年使用しても変形しづらく美しさを長年にわたって保つことができます。
黒柿製碁笥の最大の特長は、なんと言っても明るい木地に描かれたように入った黒模様です。ある木地は細筆で描かれたような模様、ある木地は太く大胆に入った黒模様など、二つとして同じものの無い自然の成せる奇跡の技です。黒柿の木材は市場にあまり出回らず、また切ってみないと黒模様が入っているのかどうかもわからず、入っていてもそれがどう入っているのかは碁笥になってみるまで分からないというやっかいな代物です。
長年碁笥作りに携わり木を知り尽くした職人だからこそ作り上げることができる黒柿碁笥は、まさに銘木と呼ぶにふさわしい逸品です。
『屋久杉製碁笥」は、複雑且つ繊細な木目で見ていて飽きのこない美しさと気品があり、世界中に熱心な「屋久杉コレクター」がいるほどです。
屋久島の木材は世界自然遺産に登録されて以降伐採を禁じられており、木材の数が限定されているため入手すること自体が非常に困難で極めて希少価値の高い銘木です。
屋久杉材の木色は赤茶がかった木地で、屋久杉独特の芳香と杢(もく)や瘤(こぶ)などの複雑な木目が非常に美しい木材です。
油分を多く含んでいるため、時間の経過とともに油分が沁みだしてくる場合がございます。
屋久島の木材は世界自然遺産に登録されて以降伐採を禁じられており、木材の数が限定されているため入手すること自体が非常に困難で極めて希少価値の高い銘木です。
屋久杉材の木色は赤茶がかった木地で、屋久杉独特の芳香と杢(もく)や瘤(こぶ)などの複雑な木目が非常に美しい木材です。
油分を多く含んでいるため、時間の経過とともに油分が沁みだしてくる場合がございます。
一般的に用いられる碁笥の中で「桑製」の碁笥は最高級品とされていますが、その中でも『島桑碁笥(しまぐわ ごけ)』は御蔵島産の桑材を素材とした碁笥を指します。
『島桑』は、御蔵島という火山性の地質や独特の気候、海流などの影響を受けた独自の生育環境で育った桑材です。木の年輪の詰まり方や緻密な木質など、本土で生育した桑材とは異質の桑材です。島桑材は、加工切削時に黄土色の中に淡いモスグリーンの色彩が見られたり、経年によって奥深い黄金色に輝く木色など別格の木材です。本土とは違い、御蔵島という生育環境が伐採と運搬を困難にしていることも島桑材の希少性を高め、人気が高い要因の一つです。一般的に、桑材製碁笥(本桑碁笥)よりも希少性が高く、高価です。
『島桑』は、御蔵島という火山性の地質や独特の気候、海流などの影響を受けた独自の生育環境で育った桑材です。木の年輪の詰まり方や緻密な木質など、本土で生育した桑材とは異質の桑材です。島桑材は、加工切削時に黄土色の中に淡いモスグリーンの色彩が見られたり、経年によって奥深い黄金色に輝く木色など別格の木材です。本土とは違い、御蔵島という生育環境が伐採と運搬を困難にしていることも島桑材の希少性を高め、人気が高い要因の一つです。一般的に、桑材製碁笥(本桑碁笥)よりも希少性が高く、高価です。
「桑材」は、人間国宝の大野昭和斎が『木工芸 大野昭和斎』で「木材中最高のもので、杢目の味といい、色の気品といい、これに優る材は無い」と言うほど絶賛している木材です。
1点ものの高級碁笥を除けば、桑材で製作された『本桑碁笥』は一般的に用いられる銘木碁笥の中で最高級品とされていて、高級碁笥の代名詞ともいえる碁笥です。
『本桑』は、山桑(ヤマグワ)や本桑(ホングワ)、地桑(ジグワ)などの総称で、緻密な木質とくっきりとした年輪、経年により美しさを増し見る角度によって異なる表情を見せる黄金色の木色、杖に使われるほどの強度など、碁笥材として極めて優れた特長を兼ね備えた木材です。
1点ものの高級碁笥を除けば、桑材で製作された『本桑碁笥』は一般的に用いられる銘木碁笥の中で最高級品とされていて、高級碁笥の代名詞ともいえる碁笥です。
『本桑』は、山桑(ヤマグワ)や本桑(ホングワ)、地桑(ジグワ)などの総称で、緻密な木質とくっきりとした年輪、経年により美しさを増し見る角度によって異なる表情を見せる黄金色の木色、杖に使われるほどの強度など、碁笥材として極めて優れた特長を兼ね備えた木材です。
『本榧製碁笥』は、盤材として最高級とされる榧材で製作した碁笥です。
榧特有の柔らかな木色と細かな木目が非常に美しい碁笥です。同じ木材で木色が非常に近いため、本榧盤、日向榧盤との相性も抜群です。
榧特有の柔らかな木色と細かな木目が非常に美しい碁笥です。同じ木材で木色が非常に近いため、本榧盤、日向榧盤との相性も抜群です。
「黒檀」(こくたん)は、3大銘木の一つとされている非常に人気の高い銘木です。
黒檀材の材質は、生長が遅いため非常に緻密で堅く、耐朽性に優れ、水に沈むものがあるほど重いという特長があります。
その特徴を生かして仏壇や仏具、ピアノの鍵盤などにも用いられています。
漆黒と淡赤色の縞模様が重厚な色合いで非常に高い人気ですが、木材の入手が困難な上、加工も難しく希少な素材です。
黒檀材の材質は、生長が遅いため非常に緻密で堅く、耐朽性に優れ、水に沈むものがあるほど重いという特長があります。
その特徴を生かして仏壇や仏具、ピアノの鍵盤などにも用いられています。
漆黒と淡赤色の縞模様が重厚な色合いで非常に高い人気ですが、木材の入手が困難な上、加工も難しく希少な素材です。
『槐(えんじゅ)碁笥』は、本桑碁笥と並ぶ高級碁笥です。
槐材は、乾燥がやや難しく時間をかけて慎重に行う必要があります。木質は強靭で割れにくいという特長を持っています。また、磨くと美しい艶がでます。淡灰白色の木色で上品な碁笥です。
槐材は、乾燥がやや難しく時間をかけて慎重に行う必要があります。木質は強靭で割れにくいという特長を持っています。また、磨くと美しい艶がでます。淡灰白色の木色で上品な碁笥です。
『花林碁笥』は赤味掛かった木色で人気の高い碁笥ですが、近年、木材の乱伐により伐採禁止などの規制によって木材の流通量が極端に減少し、碁笥の生産量が減ってきています。高い人気に対して供給量が少ないため、年々高額になっています。古くから唐木細工に使用される銘木として知られています。
『欅(けやき)碁笥』は、高級碁笥として知られ人気の高い碁笥です。ケヤキは日本における木工品の代表格で、木目がはっきりしていて水湿に強い特長があります。銘木碁笥としては最もポピュラーな碁笥です。価格も銘木碁笥としては標準的な価格で、広く使われています。
碁笥は本桑と良く似た色合いで木目が非常に美しい黄蘖(キハダ)碁笥です。黄蘖(キハダ)は、色合いが本桑と良く似ているため、桑材の代用品として使われることもあります。木材名の通り「黄色」い木材で木目がハッキリしています。比較的軽量ですが、適度に堅質で水湿にも強いという特長があります。
少し赤味かかった茶色の木色。それほど人気は高くないが中級碁笥の1つ。
木色、木目共に欅に似ている。それほど人気は高くないが中級碁笥の1つ。
明るい木色で、木質は硬く建材に使用されています。柔らかな印象の淡黄色で、光沢のある美しい碁笥です。比較的安価でお求めやすい碁笥です。
落ち着いた木色と深い光沢で高級感のある碁笥です。比較的安価で人気も高い。独特の芳香が特徴です。
高級家具材や酒樽などに使われる楢(ナラ)製の碁笥です。材質は堅く、淡灰白色の木色で上品な碁笥です。
木目には虎の毛並みのような斑模様(虎斑/とらふ)があるのが楢材の特徴です。
木目には虎の毛並みのような斑模様(虎斑/とらふ)があるのが楢材の特徴です。
やや赤味かかった明るい木色で銘木碁笥の中では比較的安価な碁笥です。
木製碁笥の中では最も一般的でリーズナブル。木目や木質は粗く、茶や焦げ茶色の木色の碁笥です。
お手頃品質・お手頃価値
碁笥素材の木目には、木の種類にもよりますが柾目、杢(もく)、瘤(こぶ)などがございます。木の種類によって、木目がはっきりしている素材やはっきりしない素材もございます。
『杢』、『瘤』の美しさで有名なのは屋久杉です。埋木材はその多くが根元の切り株で、杢が多く見られます。泡瘤、葡萄杢など変化に富んで輝くように美しい木色と杢模様は、屋久杉の真骨頂です。
余談ですが、『杢』という漢字は、『木工』(だいく)を組み合わせた漢字とも言われています。
『杢』、『瘤』の美しさで有名なのは屋久杉です。埋木材はその多くが根元の切り株で、杢が多く見られます。泡瘤、葡萄杢など変化に富んで輝くように美しい木色と杢模様は、屋久杉の真骨頂です。
余談ですが、『杢』という漢字は、『木工』(だいく)を組み合わせた漢字とも言われています。
高品質・高価値
最も一般的なもので、本桑、欅、椎、楠、楢などはほとんどの場合、柾目の木材を使用して製作されています。碁笥を上から見た時に、蓋には縦(横)に木目が通っています。横から見ると木目は縦方向に通っています。
木材の成長過程で生育環境の影響などによって、局部的なねじれや湾曲、枝分かれ、根に近い部分などに稀に現れる複雑な木目模様の素材は『杢(もく)』と呼ばれています。
杢は、装飾性に優れ、希少価値・審美的価値から高価値の素材です。
杢は、木材によって様々な種類があります。見た目や特徴から、孔雀杢、葡萄杢、玉杢、虎杢、鶉杢(うずらもく)、泡杢、縮杢(ちぢみもく)、鳥眼杢(ちょうがんもく)、牡丹杢(ぼたんもく)、虎班(とらふ)など。
杢は、装飾性に優れ、希少価値・審美的価値から高価値の素材です。
杢は、木材によって様々な種類があります。見た目や特徴から、孔雀杢、葡萄杢、玉杢、虎杢、鶉杢(うずらもく)、泡杢、縮杢(ちぢみもく)、鳥眼杢(ちょうがんもく)、牡丹杢(ぼたんもく)、虎班(とらふ)など。
木材の表面に新たに生成される瘤状の塊の事です。この瘤は発生頻度が低く絶対数が少ないため、希少性が格段に高い素材です。その美しさで、装飾用の素材や木工美術品としても珍重されています。
お手頃品質・お手頃価値
碁笥のサイズは、入れる碁石の号数(厚味)で選ぶのが一般的です。碁笥に碁石を入れた時に、碁笥の器の8分目位に収まる大きさが丁度よい大きさです。当店の碁石は黒石の方が若干大きいため、黒石を基準にお考え下さい。
碁石のサイズによって、小さい方から
碁石のサイズによって、小さい方から
大(20号~30号位)
▼
特大(30号~35号位)
▼
超特大(36号~42号位)
▼
超々特大(43号以上)
*超々特大の碁笥は、「○○号の碁石まで入ります」「○○号碁石用」のように何号の碁石まで入るのかが表示されています。
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特大(30号~35号位)
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超特大(36号~42号位)
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超々特大(43号以上)
現在最も広く使用されている丸い形状の碁笥は『安井型(やすいがた)』という形です。『安井型』の形は、棗(ナツメ)の実を模したものなど様々な説がございますが、碁石の収まりが良い事や器の下部の方に碁石が多く入るため重心が低く安定していることなども、現在広く普及している要因のようです。
安井型にもいくつか種類があり、卓上盤用に高さを低くしてその分直径を大きくした『平碁笥』(ひらごけ)も安井型です。
『安井型』以外には、『本因坊型』(ほんいんぼうがた)という竹の節の部分を模した形状の碁笥がございます。実は、『本因坊型』の方が歴史が古く安井型が登場するまではこちらが主流だったようです。
『本因坊型』は、その昔竹を輪切りにしたものを碁石を入れる器として使用していたため、竹の形を模した形状をしているという説もございます。ですので、本因坊型の形は竹の節の部分を切り取ったようにも見えます。
一般的な安井型もいいですが、個性的・伝統的な本因坊型も根強い人気の碁笥です。
他には、十二面体の『十二角』、ペア碁笥用に重なった『ペア碁笥』、椀、鉢、盆など円形の器物をつくる挽物(ひきもの)の技法『千筋(せんすじ)』で製作された碁笥などがございます。
安井型にもいくつか種類があり、卓上盤用に高さを低くしてその分直径を大きくした『平碁笥』(ひらごけ)も安井型です。
『安井型』以外には、『本因坊型』(ほんいんぼうがた)という竹の節の部分を模した形状の碁笥がございます。実は、『本因坊型』の方が歴史が古く安井型が登場するまではこちらが主流だったようです。
『本因坊型』は、その昔竹を輪切りにしたものを碁石を入れる器として使用していたため、竹の形を模した形状をしているという説もございます。ですので、本因坊型の形は竹の節の部分を切り取ったようにも見えます。
一般的な安井型もいいですが、個性的・伝統的な本因坊型も根強い人気の碁笥です。
他には、十二面体の『十二角』、ペア碁笥用に重なった『ペア碁笥』、椀、鉢、盆など円形の器物をつくる挽物(ひきもの)の技法『千筋(せんすじ)』で製作された碁笥などがございます。
碁笥は「ろくろ木工」という木材を回転させながら削って形を作っていく技法で製作されています。
当店で取り扱っている『ろくろ木工工芸士 西川 嵩(にしかわ たかし)氏』製作の碁笥には、底面に西川喬製作の証の焼印が入っています。そして、西川喬製作の碁笥には証明書を発行しています。
その他、数社のろくろ木工師が製作した碁笥を販売しています。
当店で取り扱っている『ろくろ木工工芸士 西川 嵩(にしかわ たかし)氏』製作の碁笥には、底面に西川喬製作の証の焼印が入っています。そして、西川喬製作の碁笥には証明書を発行しています。
その他、数社のろくろ木工師が製作した碁笥を販売しています。